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「だし」の料理との可能性を探る
2019年02月17日

大阪日帰り出張でした。

母校にて、おだしのセミナー。。。

セミナーというよりは、もう学会発表でした。。。昨年7月に開催された時も申し込んでいたのに、体調不良で断念。。。今回、参加して前回行けなかったことがやはり悔やまれます。。。

 

プログラム1 では、農学博士の川崎さん(味の素㈱イノベーション研究所)がテンポよく事前質問事項と旨みについて、講話。。熱による旨み成分の変化について、煮ると蒸すの出汁を引くことの違い、香りや旨みの水溶性・脂溶性を考えたとらえ方、出汁の冷凍による変化、塩分と出汁の関係、出汁と水の硬さについて、旨みの使い方を整理する、そもそも出汁とは何か、出汁をデザインする、出汁の取り方をデザインする、旨みの転移、旨みのパラドクス、出汁の役割、、、、、どれもが内容満載でした。。。その中で、キーワードは、メイラード反応。。。これが化学変化としていかに味に影響しているか、するか、という構築を描くことが出汁を取る(引く)、出汁を料理していくうえで大事ではないかと想いました。

 

プログラム2 では、各ジャンルのシェフが出汁を使った料理の発表。。。そのあと、川崎さんによる評価を述べていただく流れでした。

 

下口シェフ「平等院表参道 竹林」

 

 

中国料理では、私も在学中に教鞭を受けた吉岡先生。。吉岡先生の料理の発表は、川崎さんの度肝を抜いたようです。これは、特許を取るべきでは?と冗談交じりに話されていました。

 

木下シェフ「リストランテ ドゥエ」

イタリアンのシェフが使ったこの機械。ガストロバック。圧力を加えて、加熱しないで味を浸透させることができるので、アワビが柔らかく、程よい味付けができていました。

音が結構出ます。

 

アワビの肝ペーストが結構使われていて、パスタの色がびっくりする色でした。(パスタは、ラザニエッテ。手打ちパスタで、昆布パウダー・アオサのりが練り込まれています)

 

わたしとしては、このすごい色にちょっとおののいた。。。

下口シェフは、サイフォンで、出汁によるお茶の抽出を7年前からやっているのだとか。。

 

 

 

 

 

プログラム3 は、シェフたちによるディスカッション。。。

話は、3人のシェフが披露した料理に共通だった、お茶に集中しました。

下口シェフは、玉露と煎茶の間のお茶と、京番茶を使用。

木下シェフは、玉露を使用。

吉岡先生は、東方美人の中国茶を使用。(使ったどの食材よりもこのお茶が一番高価じゃないかと言ってました)

 

旨み成分豊富なお茶は、抽出という部分でも、もうお出汁と一緒と言っていいのではないかと想います。

 

どういう構築をした料理で、どうお茶を使ったのか、お茶を使うことでどういう効果が得られたか。。。という話をまとめてありました。それぞれのシェフがどういった意図でお茶を使ったのか。そして、お茶の効果がどう料理に現れているのか。。

そして、もうひとつの話のキーワードになっていたのが、食文化でした。

わたしの料理への想いの中で最もと言っていいほど大事にしている食文化、地域の食材を生かす。。。そのことが今回のシェフたちによるキーワードになっているという話でもありました。

。。。。。。。。

。。。。そして、天王寺駅を降り立ったら、やはり、コレ!

やまちゃんのたこ焼き!

 

あっという間のセミナー。。。帰ってからの仕事が待っている為、日帰りでしたが、刺激的な時間でした!